高竹真吏のコラムである。
『ヒューマノイドという人間疑似生命体が開発されてからというもの、重労働から人間は解放され、人々の生活は格段と裕福となった。
人型はもちろん、犬や猫などの人間以外の擬似生命体も創造し、情報を人工的にインプットされたペットが開発され躾の手間も省ける。
肉体的疲労はなく労働賃金も必要ない。
しかしヒューマノイドは人間が生み出した疑似生命体なのだ。
定期的なメンテナンスが必要であり有機的な部品費用もかかるため、一定期間労働力として使用されたヒューマノイドは破棄されている。
技術開発により現在は大量生産され続けている擬似生命体だが、ごく稀に超高性能を持ったヒューマノイドが産まれるという。
億体に一体という割合いらしいが、それを確認した者はいない。
それは人工的な骨組みとヒューマノイド胚から造られた有機的肉体が完全な形で融合し、自然界の生物と変わりないらしい……』