一方、鷹人を見失った真吏は、生徒に目撃情報を聞き回っていた。
体育館倉庫付近で見たという情報を得て、そちらに移動していると。

「え……ネマ?」

青年の黒猫が真吏の方を見て座っている。
違う猫かと思ったが鷹人が選んだチャームの付いた首輪を付けているし、間違いない。
真吏に向かい一鳴きすると黒猫は立ち上がり、歩きはじめた。
真吏を誘導しているようである。

真吏が近づくと、歩く歩幅が早くなった。
それに合わせるように真吏は駆け出していた。