桐箱から取り出されたのは、ゴツゴツした筒状の陶器(?)だった。釣り鐘を逆にした様な形をしている。

一見して用途の解らない、謎の物体だ。
器の左右には、見るからにいびつな輪状の突起物が付いている。

天辺には蓋の様な円盤が乗せられてあり、器の下部には、揃いの小皿が敷かれていた。花瓶にしては小さいし、湯飲みにしてはデカ過ぎる。

色も微妙だ。
濁った茶色と深緑が混じった様な、何とも不気味な色合いで、お世辞にも綺麗とは言えない。

 剰つさえ。 器の表面には、蛇の様な模様まで描かれている。

一体、何なのだろう、これは?
出土したばかりの土器だろうか??
置物にしては見映えが悪いし、謎は益々深まるばかりだ。