Chapter56






Chapter56







会長って待てが出来ひんゆーたやろ?


それは社内だけやない。


社外の人間にも発揮され被害が及ぶねん。



前の日送った(とゆうかうちが送らされた)荷物が届かんって送り先から連絡きたらしい。


で、会長から内線



「届いてないやんけ!どーなっとんねん!ちゃんと送ったんか?」



物凄い勢いで怒鳴る。


ちゃんと送ったし、荷物も積み忘れないし、って穏やか(←ここ重要)にそして懇切丁寧に説明しても



「届いとらんねん!調べろ!」



ってまた怒鳴ってガチャンや。


受話器いつか壊れるな。



自分の頼んだもんや。自分でかけりゃええもんを。百歩譲って調べるんはええねんけど、言い方ないわー。


なんて内心ブツクサ思いながらも調べたで。


ネットで検索かけたら配達中ってことしか出ーへんかったから、支店に電話や。



問い合わせ番号ゆうて折り返しをもらう約束をした。(αとするな)


因みに、この時点で定時十分オーバー。


これ無かったら定時で帰れるんに。


ほんま無駄やわ(呆

折り返しもらう約束をした一分後。


会長から内線。



「分かったか?」



分かるわけないやろっ!

大体分かったら内線で連絡いれるわっ!


ほんで、折り返しもらうからゆうたら



「そんなん遅いねん!俺がかける!番号教えろ!」



しかし、かけたんはええけど問い合わせる為の相手先の住所が分からんくて、結局うちに代われとゆう。(βとするな)


で、うちがβと話しとる内に折り返しをもらう約束をしてたαから電話があって鶏虎さんが出る。


両方保留にして、よっぽど待たれへんのか普段下りてけーへんのに事務所に来た会長。


取り敢えずβの電話に出よった。


…が、ニ、三言話して



「もうええわっ!」



って受話器放りよった。


だから、壊れるちゅーねんっ!

で、αの答え


送り先の人がおらんくて持って帰った



…そりゃおらんかったら置いとかれへんし持って帰るやろな…


ってかそれなら不在票あるやろうに…



会話の内容から、多分今日中の再配達は(時間的に)無理と言われたんやろな、



「そんなもんなんとかしろや!ええ方法考えろ!」



と怒鳴り続けとった。




ほんで、結局どーなったかってゆうと……



会長が送り先の人の携帯番号をαに教えて本人同士で話せとゆうて終わり。




さ、匙投げよった…!



しかも、なんかため息ついとったけど、

ため息つきたいんはこっちや!



うちや問い合わせの人に怒鳴ったところで、無理なもんは無理やちゅーねん!





電話の向こうのαβのお二人…

不快な思いさせてしもーてほんま申し訳ないわ。



会社の、いや大人の恥やわ。



ほんま恥ずかしいわ…

Chapter57






Chapter57






社長が始めたリースなんやけど。(Chapter42参照)


1ヶ月経って、仕入先の担当者とうちだけやったら無理や気づいたんやろな。


リース担当者を雇うたみたいや。



鎭踪(チンソウ)さん、40代の男の人や。



ただ、リースしとるとこと同じ処に鎭踪さんもおるねん。


リースの仕入れの納品書はうちの会社にFaxがくる。


それを鎭踪さんにFaxして、うちのパソコン遠隔操作してパソコンにあるフォルダの中のエクセルに入力や。


鎭踪さんパソコンに詳しいから、遠隔操作とか楽勝みたいやわ。


うちにはチンプンカンプンやけど。



うちが半月程入力し終わった後で鎭踪さんが入力し始めたんやけど、電話が鳴る鳴る。


酷い時は10分置きぐらいに。


会長とええ勝負やわ……



分からんこと聞くんはええねんけど、纏める能力と自分で考える能力が無いらしいな。


何が言いたいか分からん。


見れば一目瞭然のことを聞く(納品書やなくて社会人としてのな



結局、長電話。


社長と一緒に仕入れ先に行って仕入担当者とも話したのにも関わらずや。


入力以外のことはうちより詳しいやろっ、ちゅーねん!

Chapter58






Chapter58






突然やけど、咫穢臀さんが辞めよった。


辞めんのはまあ個人の自由やけど、時期がな。



ほんま突然やってん。


社長から言われるまで、社長以外誰も知らんかってんで(呆



で、時期は年末。


世間はクリスマスで浮かれとる。



いつも以上にバタバタして、人手がいるのにも関わらずや。


辞めんの分かってんのやったら、咫穢臀さんが辞めるまでに人募集するやろっ!





…………って思うんは、うちの我が儘やろか。


得意先に迷惑掛けてまで、人を入れん理由は何なんやろか??

Chapter59






Chapter59






咫穢臀さんが辞めてから、早5ヶ月。


その間、鶏虎さんがする言った咫穢臀さんの仕事はほぼうちへ。




さあ、もうお分かりやね!



うちの本来の仕事が出来ん上に、残業が増えた。


ものっすごく!





はぁぁぁぁぁ~~~~~~




も、溜め息しかでーへんわ……

そして半年後、ようやく咫穢臀さんの代わりが入ってきた。



しかし、やっぱり一筋縄ではいかんねんなぁ~



新人さんは、杤吐さんの娘さん、杵鏑(キネカブラ)さんや。




未知数やけど、とりあえず鶏虎さんの仕事を手伝うらしい。



身内で固めよってからに。


ますますうち以外の思考が狭なるわ~






うちの仕事を誰かに回せる日はくるんやろか………。

Chapter60






Chapter60







さあ、みなさん。


ゆうとらんかったけど、うちの嫌な予感当たったで!



鎭踪さんがリースの入力し始めて半月………も経ってへん。



やのに、鎭踪さんが辞めた。


締め日前の忙しい時に。



忙しい時に辞めんのって社会人としてどーなん?


前々からとかちゃうで。


突然の場合や。



引き継ぎもせんと、どれだけやったか報告も無しに。



これやったらうちが自分でやった方がましやわ。



2倍、いや数倍、手間も時間も掛かる。



無駄過ぎるわっ!




で、結局うちが全てやったで。


いつもの如くな。



残業が更に増えまくった。



星座占い曰く、金運上がって稼ぎ時らしい。

でも、地道な感じやて。




占いとかあんましやんし良いことしか信じひんけど、これは当たっとるわ~



楽して金は手に入らんちゅーこっちゃな(納得




誰か助けてーーーーーー!!!

Chapter61






Chapter61







さて、襷苳さんは………、


襷苳さん以外もやけど、人にものを頼む態度ちゅーもんがなってない。



うちが昼休憩行こう思おて、行ってきますゆうたんや。

そしたら…………、



「伝票書いてくれへんの?」



は?


伝票?


いきなりゆわれても、知らんわっ!



つか、うち昼休憩!

うちはあんたらと違って、きっちり時間に帰って来なあかんねん!

1時間経たんと、帰って来なあかんねん!

あんたらだけじゃ、電話やお客さんの対応出来ひんから。

やろうと努力もせーへんしな。


ってか書かんかったんは、あんたがややこしいゆうたからや!


反物が裁断屋に行く時うちは、漏れんように反物が届いたら書くようにしとんねん。


日付空白でな。



それを自分がややこしいからって、無理矢理止めさせたんやろ?


全部押し付けて、伝票書かんくせにな。

文句だけはいっちょ前。







全てにおいて、


幼稚園からやり直せ――!!!

Chapter62






Chapter62







ある日会長が、事務所に来て言いよった……………





「俺って大事にされてへんなぁ。」




そしたら、杤吐さんさんが




「そんなことあれへんよ。」




ってゆうとった。





この会話を聞いて、うちが思ったこと。






当たり前やぁ―――!!!!!





自分の行動振り返ってみんかいっ!







と、内心毒舌吐きながら、表では黙々と仕事。





最近、怖いほど冷静になってきたわ。



会長が憐れで憐れで。



慰めとる杤吐さんも、表面上なだけやしな。


会長のおらんとこで、襷苳さんと文句たらたらやねん。




けど、ナイショ話みたいに文句ゆうてんねんけど、うちにはまる聞こえや。



うちも家族や友達には愚痴溢すことあるけど、職場ではあれへん。


職場でゆうたら、愚痴やなくて悪口になってまうと思うから。



まぁ、愚痴を溢せるような仲間や味方は職場にはおらんけどな。

ってかな、会長がなんでそないゆうたかってゆうと………




障害者、やからやねん。


なんか心臓手術してらしい。





けど、うちは思う。





それって障害者の人達に対して失礼ちゃうか、と。



障害者やから、大事にするんやない。


その人を大切にしたいと思うからするんや。




うちかて、障害者の友達おるしじっちゃんばっちゃんも年いってたからそうやった。


けど、そんなん一言も言ってへんかった。


だって大事にされてるって、分かっとったはずやから。



うちの思い、伝わっとったらの話やけど。




つか、逆に


障害者やから大事にする


やったら、障害ありきでその人みてることになるやんか。



それって一種の偏見ちゃうかなって思う。



出来ひんことは手を貸すし、逆に教えてもらうこともある。



ギブアンドテイクやないよ。

大事な人に見返りなんて求めへんしな。






…………と。


長々ゆうたけど、結局のところうちにとって会長は、障害者でも大事にする相手でもあれへん。


ストレスの原因の一つでしかないちゅーこっちゃ!

Chapter63






Chapter63







リース初めて3ヶ月目のある日。

リースの数字を入力しながら、うちは物思いに耽とった。





リース担当者から毎日納品書がFaxでくる



うちが店舗・商品別にエクセルに入力



締日前後にリース担当者が入力したエクセル表がFaxでくる



それとうちの入力したエクセルが合致



得意先へ請求書と共に郵送



以上がリースに関しての一連の流れや。



1ヶ月目は、リース担当者とうちの入力した数字が合わへんかった。



まぁ、最初やし商品数多いしで、しゃーないやろ。


………的な?



そんな軽い考えの社長で、結局リース担当者の数字に合わせることで決着。


因みに、合わん原因は、リース担当者が返品や商品名をちゃんと記載せーへんでFaxしてきて、訂正のFaxも入れへんかったからや。




ほんで2ヶ月目は、1ヶ月経っとるし訂正のこともゆったし大丈夫やろ。




………と、思ったんが間違い。


うちの考えが甘かった。



砂糖の塊みたいに甘甘やった。

2ヶ月目も数字合えへんかった!!



社長がリース担当者に会うゆうから、取り敢えずうちが入力したエクセル表持っていった。




で、結果。




うちの入力したエクセル表をリース担当者にFaxする。


それをリース担当者が照らし合わせて、合っとったら連絡なし、間違っとったらRfaxあり。



ということに落ち着いた。




って、結局直す気ないやん!


どっちかに合わせるんやなくて、事実確認しやがれっ!





リース担当者が一人でしとるから間違ってしまうねん。向こうも大変やから、しゃーない。





って、社長はゆうけど。


うちも一人でしとんねん!


しかも4つやない!



50以上も一人でや!
(リース始めたって聞き付けた得意先が引き継ぎを頼んだらしく一気に増えた。まぁこっちは商品数少ないし得意先がしっかりしとったから何ら問題無しや)



毎日の納品書と、それを入力しとるエクセル表が合わん、って致命的過ぎるわ!




まずは、その適当な事務作業と押し付けと丸投げと、分からんことをそのままにする。



そのどーしょーもない根性、叩き直してこいやぁっ!!!

Chapter64






Chapter64







リース担当者にRfaxもらうゆーたやろ。(Chapter63参照)




やっぱり間違ごうとるんか、Rfaxがきた。



まぁ、それやったらええ。


ちゃんと確認しとるんやって分かるからな。



けど、商品数多くてA4サイズ1枚に到底収まらん。


だから縮小して送ったんや。

得意先にもな。



しかし、リース担当者には見えへんかったようや。



Rfax用紙に書いてあった。





おいちゃんには、小さすぎて見えない(ハート)





キモっっっっ!!!!!





見た瞬間、鳥肌と寒気がしたわ。



リース担当者誰か分からんけど、人間性が見えた気がした。





うちは、何を真面目に、一生懸命に、残業して、しんどい目してやってきたんやろ。





うち、あんたらの間に必要やろか。



真面目にせんあんたらに、うちが指導や命令出来んのに。


命令されんのはうちやのに。



得意先もうちの説明に、飽きれとった。


電話越しでも分かる。



目先の利益に飛び付いて、築き上げなければならない筈の信用を失っとるわ。

Chapter65






Chapter65







会長がな、商品出す時仮伝付けろゆうて煩いから付けとったんや。



ほんで、控えの仮伝は会長の机の上に置いとった。



そしたら、



「納品書切っとらんの?なんで、納品書切れへんのや!」



ってゆうたから、



「売価聞いてませんし、切れとも言われてませんから。」



と言った。


会長は全部把握したいから、いつも自分で原価出して売価をうちに言う。

やから、言われとらんのに勝手には切られへん。(言ってから切れって前にゆうたしな


社長の案件も見積書出とらんものは、うちが原価出して売価決めてもらうし。


会長の案件は、会長がやる。

うちはパソコン使われへん会長に代わって、入力だけ。


やのに、



「言われてない、ちゃうやろ!聞きに来い!」





はぁぁぁぁ??????(怒)




聞きに来いって何なん?



言いにくるんが普通や!



パソコン使われへん自分に代わって入力してもらう



それが会長の立場や!



いくら会長とはいえ、うちは秘書でも召し使いでも、何でもあれへんねん!!!!


会社と得意先の為に誠心誠意働いとる、一人の従業員や!

つかな、人手不足やのに辞めるわ、掻い摘む様に新規のことやるわ、そのせいで全部押し付けられるわで、うちは毎日残業でパンクしとんねん。


社長にゆうても、ありがとう。軽いその一言だけや。


改善なんて、夢のまた夢や。


せやから、会長の戯れ言に一々返す暇もお守りしとる余裕もないねん。


で、忙しい、出来ひん、今は無理ってハッキリゆうようにしてん。



冷静に、感情を無くして、な。




高圧的ですぐ怒鳴る人ちゅーんは、威張りくさりたいからって聞いたしな。


正当な反論をされると弱いとも聞いた。




うちは、他人が怒ってんのとか物を乱暴にあつかったりして出た音とか聞くとストレス溜んねん。(ドラマとかやったら大丈夫やねんけどな



多分、怒鳴ればゆうこと聞くと思っとんのやろ。


そして、今までの人達は聞いてきたんやろ。



けど、うちは違った。


間違いは間違いってゆうしな。



そしたら、会長の態度が変わった。


なんか、恐々喋っとる。



恐怖したんやろか、うちの怒りに触れて。(普段は全く怒らんし常に笑顔やからな




うち的には願ったり叶ったりや!

ほんで、納品書切った切らんで、うちがキレたんが気に食わんかったんやろな。



事務所に降りてきて、怒鳴りよった。


そん時、社長もおってな、社長が怒鳴っとる会長に対して、



「その言い方は榊さんの為に、やない。一方的に怒鳴ったってあかん。しかも、榊さん悪ないやん。会長が言うの忘れてただけですやん。」



そうゆうた。


ゆわれた会長は、負け犬の遠吠えの如く、



「ち、ちゃんと指導しとけ。」



と捨て台詞を吐いて、出ていった。



かなりの怒鳴り声やったから、事務所にいた人達は黙々と仕事して知らんぷりやった。



で、当のうちはとゆうと………


笑いが止まらんかった(爆笑


怒鳴られとんのに、何でかって?



だって、自分が間違えとんのに怒って、怒鳴り散らして、最後は捨て台詞、やで?


しかも、息子にまで言われる始末。



爆笑はせーへんかったけど、顔は絶対にやけてたな。


自覚あるわ。



うち、真面目で慎重タイプやし、間違いは素直に認める、分からんことは知ったかぶりせずに聞く性格やし(全部友達のお墨付きやで!


ゆとり世代とかゆわれとるけど、結構肝すわってるんやで!

しかし、納得いかんことが一つ。



あれだけしても、満足いかんかったらしい。


怒鳴り散らした時おらんかった鶏虎さん呼び出してゆうたらしく



「会長は頭中で処理した気になってたみたいや。けど、分からんかったら分かるまで聞かなあかん。自分勝手に処理したらあかんよ。」



うん。

全く見に覚えがあれへんな。


分からんかったら聞くし。

自分勝手に処理したことないし。


で、極め付け。



「角立たんようにしてな。」



……角が立つって何?


もちろん意味は知っとるよ。



角を立てた覚えもなければ、立つ様な言動もしとらん。



しかも、うちは争う気もない。

穏便に冷静に、正当な理由を述べただけ。


寧ろ、騒ぎ立てたんは会長の方や。




なんで、こっちが気を使わなあかんねん。


なんで、会長の機嫌をとらなあかんねん。


なんで、うちが命令されなあかんねん。





……………と、言いたいことはめっちゃあったけど、



「そうなんですか。分かりました。」



笑顔でそう返した。


その笑顔が、引きつってたんはその場におった誰も分からんやろなぁ~

Chapter66






Chapter66







生産するエプロンに付けるボタンを仕入れる時がたまにあんねん。(大抵得意先から支給か工場へ直送やねんけどな



枚数が多い時は、もちろん使うボタンも多なるから箱で入る。


けど、たまに枚数少ないとかサンプルとかで少ない個数で仕入れる時があんねん。



そん時は袋のままできて内職さんに渡すか襷苳さん達が縫うかするから、袋ごと襷苳さんに渡すねんけど………


手渡ししたにも関わらず、無くしたらしく、



「貰っとらんで。置いといたあかんやん。小さいからどっかいくねん。」



て・わ・た・し・や!


置いとらんし。



つか、作業台の上を散らかしとんのはあんたや!



小さいゆうても、ちゃんと管理しとったらどっかいくことはあれへん!




しかも、うちにゆうな!




自分の管理能力の無さを嘆けー!!!

Chapter67






Chapter67







会長は、法律違反も時には厭わん。


会長は釣りをするみたいやねん。



そん時に許可書がいるらしいねん。


けどその許可書をコピーしろ、ゆうねん。


流されたらあかんから、ゆうて。


けど、それって犯罪やんな。


許可書をコピーって。



しかも、コピーは厚紙にってばれへん小細工までしよる。


で、コピーしたらしたで、色が似てへんと文句を垂れる。



しかもたまたま来とったコピー機の人に、


色を似せろ、だの



これ以上無理と言われたら


それくらい出来る様にしろ、だの





迷惑なことばかりいいよる。




まぁ、蜀仙自体法律違反だらけやからな。



こんくらいでは、驚かんで。





幻滅、失望、呆れ果てるけどな。

Chapter68






Chapter68







杵鏑さんが勤め始めて早数週間。



杵鏑さんの性格の片鱗が見えてきたで。



まず、受話器をガチャンと置く。



うちは習わんでも小さい時から、ソッと置くようにしていた。


社会人になってから始めて気付いたけど、ガチャンって置くと聞いてる方には結構な音がすんねんな。(会長との内線で体験済や





後、持ち上げられへんけど引きずることの出来る重さの出荷物は自分で出すねん(余りにも無理な時は頼るけど


普通重たいもん動かすゆうたら手やろ?



しかぁしっ!

杵鏑さんは違った!




足で荷物を押し………蹴っとった。



得意先に送る大事な商品の入った箱を、やで?




うちには、絶対あり得へんことやねんけど…………





家庭の躾の違いかなぁ?




蜀仙におったら、うちの過ごしてきた常識がことごとく覆されんねんけど………




こんな奴らがうちの人生の先輩やなんて…………





蜀仙以外にはおらんように願うばかりや……(必死に願

Chapter69






Chapter69







会長ってな、何でも自分でやりたがったり把握したがったりする割には、理解力が無いねん。



仕入れの伝票って会長の発注、社長の発注って分かれてないねん。


仕入先は分からんから、複数案件纏めて1枚の伝票でくんねん。


そん時は、入力済印押した後コピーして案件ごとにファイリングしとるからその中へ。



社長案件とかはそれでええねんけど…………、



会長はコピーをそのまま渡したらあかんみたいや。



伝票にたくさん商品あってどれか分からんから、自分の商品に丸付けろ、らしい。



発注は綾牝さんがすんねんけど、指示するんは会長や。


会長が伝票見て、分からんわけがあれへん。





自分のことすら満足に出来ひんのかぁぁぁ――――!!!!!

Chapter70






Chapter70







杵鏑さんが勤め始めて、初めての締日を迎えたんや。



例のごとく角橋さんは得意先に外出。

締日に限ってこんなんばっかや…



で、うちより後輩やし咫穢臀さんよりはマシかなぁ思うたけど、まぁ変わらんかった。


結局、咫穢臀さんの業務を鶏虎さんと2人でちんたらちんたらやっとるだけ。


うちの業務はだぁ~れも手伝えへん。

見向きもせーへん。



で、うちが一人で請求書(もちろん残業で)しとる時、杵鏑さんも鶏虎さんと一緒にちんたら作業をしとった。



で、たまたま社長もおってんけど、(社長もうちが一人でしとんのをガン無視)



社長が杵鏑さんにゆうた。



「定時過ぎとるけど、大丈夫なん?」


「ああ、もうちょっとだけなら。」







定時過ぎとるけど大丈夫?!


もうちょっとだけなら?!





うちもとっくに定時過ぎとるけど?


うち大丈夫なことあれへんけど?

うちが独身やから押し付けてもええと思うとるんやろか?



家が近いからどんだけ遅なってもええと思うとるんやろか?




杵鏑さんが子供おるから残業せんでええんやろか?



杵鏑さんの定時うちより遅いんやけどな




子供おって残業あかんねんやったら、最初からそういう風にしたらええ。


2人で交代でしたらええ。



独身やからって残業出来るとは限らんねんっ!


プライベートあんねん!


誰が好き好んで残業なんかすんねん!



残業せんでええように、計画的に素早く無駄なく仕事しとんのに、邪魔しとんのはお前らや!






うちが頑張る意味ないやんな……


うちがおる意味ないやんな……



押し付けられるんやったら誰でもええねん………




結局、都合良く働いてくれるんがうちやねん………



うちは都合のええ女やねんな………



自覚してても、得意先のこと思うたら放り出されへん。


無責任に、無責任な奴らに、大切な得意先に関わること預けられへん。






だからうちは、残業の日々を送る…………

Chapter71






Chapter71







襷苳さんがまたやらかしよってん。



この日に出荷せーへんとあかん商品の畳みを襷苳さんと妻傳さんがしとってん。



そん中で、角橋さんが



「出来る?出来んかったら明日って電話するよって、言ってや。」



危ない思おたんか、襷苳さんに聞いてた。


この日ゆうても、お客さん希望やし、1日ずれても大丈夫みたいや。



け・ど、襷苳さんは



「大丈夫や。今日に出す様に計画しとるから。」



とゆうたんや。

だから、角橋さんはお客さんに大丈夫やてゆうた。



ほんで、角橋さんがお客さんのとこ行かなあかんくなって出掛けた。

それから少し経って、襷苳さんが言いよった。



「なぁそれ今やんなきゃあかんの?シールすら貼る時間ないの?」



はぁ?



あんた、さっき大丈夫ゆうたよな?


ってことで、



「やっぱり出来ひんのですか?せやったら集荷の時間遅らせて貰いましょうか?」



……………あ。

本音が出てもうた。(テヘッ☆

うちはうちの仕事あるし、出来るゆうたんあんたやし、出来ひんねんやったら番濡雌さん・杤吐さん・杵鏑さんにやらせたらええ。


うちは、あんたらの戦力ちゃうねん!




自分達で、どうにもならん時、他人に頼るもんや。


しかも、他人の時間を自分の為に削らしてまでやからな。



ほんだら、襷苳さんなんてゆうたと思う?



「遅らせたって、うちは〇時には帰るよってそんなん関係ないわ。」



ナンヤソレ?

帰る?

仕事放っぽり出して?

うちだけに手伝い要求して?

〇時ってただの定時やん。

うちはあんたらの後始末で、いつも残業なんやけど?







ええ!

もちろん手伝いましたよ!

うちは外面はええからなぁ!


つか、今日大丈夫ゆうて出さんかったら信用に関わるやんか!



番濡雌さんも
杤吐さんも
杵鏑さんも

自分の仕事。



うち

他人の仕事。



結果、出荷出来たけど、うちは仕事出来んかったし、残業や。



襷苳さんも、番濡雌さんも、妻傳さんも、杤吐さんも、杵鏑さんも、



後片付けもせんと定時やからって帰りよった。

ほんま、学習能力のない人達やわ。


出来んなら出来んゆーたらええ。


うちやったら、その上で手伝ってもらうんか、明日に回してもええか相談するわ!


まぁ、そうなる前に出来なさそうやったらそん時に角橋さんに相談や。


なんで出来んことを出来ると答えんねん。


しかも、ありがとうの一言も無い。


例え、ありがとうゆわれても、感謝の欠片も無い口先だけのやけどな。





うちは、あんたらのパシリちゃうねん!


うちは、あんたらに手伝ってもらうなんてあり得へんねん!


うちの仕事は、あんたらには無理やねん!


雑用も嫌がってやらんあんたらに!


自分の好きなことしかせんと、嫌なことは全て分からん知らん。



そりゃ無理やわな。

世の中には受け入れられへんわ。


やから、こんなとこしか場所がないんやな。

若いもんが食い潰されるんや。


けど、20年後ぐらいには大丈夫やな。


うちみたいな常識ない会社には、人がおらんくなるわ。


若いもん、なめたらあかんでな。



未来見据えんと、今の自分の利益だけ考えてる様な奴の周りにつく者はおらん。


未来が楽しみやわ♪

Chapter72






Chapter72






適当なリース担当者って、数字に適当やけど、お金にも適当やねん。



仕入れた商品の代金支払う為には、仕入先からの請求書を見てうちのと合わせて合致したらOKや。


まぁ普通やな。




しかし、しかしや。



そのリース担当者は違った。



請求書が郵送でくる前に、Faxもらうねんけど、金額しか書いとらん紙1枚や。

日々の明細、うちの送った表で確認しとる筈やし、明細無かったら合っとるかどうか分からん。



やのに、1枚や。


催促して催促して、やっとや。


それが、1度目から今までずっとや。


まぁ、ゆうても直らんやらゆわんけど。




……………ああ、こうやって人は離れて行くんやな。





って、脱線したな。



請求書の話に戻るわ。



そんでもらったFaxで合わせていったら………、合えへん。



で、合えへんってリース担当者にゆったら確認するわ~で3週間経過。



結局合ったけど、確認せんとうちの送った表丸々写したんとちゃうやろな。



めっちゃ、やりそうやわぁ~

しかもな、リース担当者は表に番号を振れと言い出した。


品数多すぎて把握しきれんし、うちの管理品番やと面倒やねんて。



管理品番かて、そっちが記載せえゆうたから記載したんや。





エクセルの表は本来得意先に送るもんや。


リース担当者に送るもんやない。



それに、番号を記載せえやと?!




それ、意味ある?




結局面倒くさがった社長が、一番上からただ単に番号を振った。





意味、ないな。




得意先の人、混乱させるだけやろうに。



相手のこと考えられへん奴らやで………

Chapter73






Chapter73







ある日、おめでたいことがあった。


杵鏑さんが入ってすぐに、杵鏑さんの娘さんが赤ちゃんを産んだ。



めっちゃ、おめでたいやろ。






………それだけやったらな。





娘さんの希望か杵鏑さんの希望か、杵鏑さんが娘さんに付き添う為に休んだ。




当日だけやったらええねんけど、産まれた日の週末、週末は次の日休みやから出荷を出来るだけするんや。



で、重なって大変やろなぁ~思おて、杵鏑さんの出荷分手伝ったんや。


自分の仕事あったけどな。



うちん時は、誰も手伝わんかって大変な思いしたからな。


自分がされて嫌なことは、したらあかん。




で、出荷しとる途中で杤吐さんが定時になって帰ろうとしたら……………




杵鏑さんも帰りよった!!!



後お願いしますも、ありがとうも、ごめんなさいも、なぁ~んにも無しや。



出荷なんて自分の仕事やと思おてないんやな。


出荷も大切な仕事や!




うちが責任感強いだけか?


うちが他人を頼らんと迷惑かからん範囲で自分の力でやりたいだけか?




仕事を通して成長したいと思うんはうちだけなんやろか…??

因みに、その娘さん、17歳で通ってた高校退学すんねんて。



17歳も、子供産むんも、個人のことやからええねんけど。


高校を退学て。



なんで、高校行っとたんやろ。


なんで、高校通っとるのに子供が産まれる状況になったんやろ。





今や、出来ちゃった婚やなくて授かり婚ってゆうねんてな。



確かに、授かりもんやろうけど………



授かりの意味、間違ってないか?


そう思うんはうちだけか?



トラブルになるケースの方が多いゆうに。


授かったって、自分の生活の都合優先する奴おるやん。


育てられないだの、お金がないだの、自分のところに産まれたって不幸になるだけだの。





反対に、自分の所有物と示す様に名付けたり。




世の中どーなってんねん!



うちより長く生きとんのに。



時代の流れ?

流行り?



いや、ちゃうな。


うちが常識的とゆうんは、友達が証明してくれたわ。


友達も同じ考えやった。


そりゃ高校卒業してからわりかし早よ結婚して子供産んだ子もおるけど、ちゃんと生活や子供のこと考えとったわっ!

Chapter74






Chapter74






さて、突然やけど、うちの朝の掃除(Chapter3参照や)の項目が1つ増えましたぁ!



それは、なんと………




2階のトイレ掃除や!



綾牝さんが今までしとったんを何故か、うちらがすることに。


社長はいつも通り意味不やわ。



嫌味込めて、トイレ掃除までしとったら余計時間かかるゆうたら、



「トイレ掃除は交代やから、ええやん。」



はぁ?


その他はうちがやれと?


うちが一人で?



と内心思おたけど、ちょっと困惑した声色で



「トイレ掃除の他は一人で、ですか?」



と聞いてみたんや。


ほしたら、



「当たり前やん。襷苳さん達は仕事しなあかんしな。」



案の定、案の定や。





うちは、家政婦か何かか?


うちも仕事しに来てんねんけど?





そうか。


分かったわ。


うちに押し付けて、楽をすればええ。


堕落すればええ。



後で、困るんは、あんたらや。



ここより酷い会社そうそう無い。


嫌で辞めるんや無い、成長の為や。


辞める理由ポジティブやし、説明ならなんぼでも出来る。



上だけ見ればええんや。

Chapter75






Chapter75






トイレ繋がりで、もう1つ。




実は、2階のトイレも壊れとるみたいやねん。


水が流れっぱなしになるらしい。



気を付けて、ゆわれたけど、うちが流す時はちゃんと止まる。



普段の行いがええんやろか?




それとも、トイレも人を選ぶんやろか?





トイレも賢いな!





で、そのせいで水道代が高いって、鶏虎さんが文句垂れてた。




当たり前やろ!



修理せーへんからや!



修理代高いし、テープで止めたら、止まったからやて。




目先のことに囚われとんなぁ~