それから、1年程した頃だったか。

母が、一人の男を連れて来た。

「君が、和弥君か。宜しくな。」


大きな、筋肉質の体。

父親の面影を知らない僕にとっては、大人の男を見る最初の機会だった。

僕が外で遊んでいると、祖父母はその男を、歓迎しているようだった。

「和弥、よかったね。新しいお父さんができて。」

そんな事を、祖母が言った。

「ばあちゃん、あの人誰?」

「伊賀悟志さんって言ってね。お母さんと再婚する人だよ。」

僕はその時、ふーんとしか思わなかった。

新しいお父さんって言われても、ピンとこなかったし。

再婚って言われても、何の事だがよく分からなかった。


それでも、何となく一緒に暮らすのかなとは思っていた。

その伊賀悟志さんと言う人は、毎日のように家に遊びに来て、僕と遊んでくれたからだ。