これはどうしたものかと、困りながら玄関を開けると、そこには年老いたお義母さんが、立っていました。

玄関先で何やってるんだと、怒られるかもしれない。

そう覚悟した時でした。

「あの人があんたと和弥を送ってくれる、役場の同僚の人でしょう?」

お義母さんは怒るどころか、真剣な目をしていました。

「はい、そうです。」

「ええ人そうじゃないかい。返事は明日でいいって言ってくれているのだから、今日一晩考えてみたら?」

話を聞いていたのか、私の背中を押す言葉でした。

「でも、結婚は……」

お互いいい歳でしたから、交際したら結婚の話になる。

それは、目に見えて分かっていました。

「それも、交際してからゆっくり考えればいいって、言ってたじゃろう?」