知り合いに勤め先がないか、必死に聞いてまわったんですが、どれも家族4人を養うには、賃金が安い仕事ばかり。

食べていくのに、選り好みなんてできないよだとか、子持ちの未亡人にいい仕事なんてないよだとか、果てには妾業まで紹介されて、私はほとほと疲れていました。


そんな時、役場の仕事に空きが出来たからと言って、その仕事を紹介してくれた人がいたんです。

本当に幸運でした。

仕事も早い時間にあがる事もできるし、給料もそこそこ頂けるし、何より和弥の通う小学校が、近くにある事が有難い事でした。


学校から帰って来た和弥は、真っ先に役場にいる私の元に来て、端にある机を借りながら、勉強する毎日。

有難い事に、そんな和弥を邪魔者扱いする人はいず、周りの方は返って”和弥ちゃん、お菓子あげるよ。”と可愛がってくださいました。