それから二週間が過ぎて一学期の期末テストが終わった頃、ようやく彩加に打ち明けることができた。


この日は珍しく彼女が所属しているテニス部の練習が休みで、週に二回しか活動していない美術部だった私の教室まで「一緒に帰ろう」と誘いに来てくれたのだ。


この二週間はずっと放課後になると逃げるように教室を飛び出していた私にとって、彩加の声はまるで救いの女神のもののように思えた。


それが本当に嬉しくて、限界を感じ始めていたこともあって……。


帰りに私の家に寄ってもらい、途中から泣きながらこの二週間のことをすべて話した。


「そっか……。やっぱり、そうだったんだね」


話し終えたあとに落とされた第一声は、そんな言葉だった。


彩加は、自分のクラスメイトから私がいじめのターゲットになっていることを聞いていたらしい。


ただ、それを聞いたのが期末テスト中だったし、その間は毎日ずっと一緒に登下校をしていたのに私がなにも言わないから、自分から尋ねることはできなかった、と付け足した。


それは、彼女なりの気遣いだったのだろう。


小学生の頃からずっと優しい彩加は、私がいじめられていることを知っても全然変わらずにいてくれて、その事実にまた涙が溢れた。