そのあとは、四人になにを言われたのかはよく覚えていない。


ただ、自分がとても危うい状態だということだけは理解できて、なんとかしようと口を開くものの、機転の利いた言葉はなにひとつ出て来なかった。


派手なグループのターゲットになってしまった私に手を差し伸べてくれるクラスメイトはいなくて、四人に囲まれて針のむしろになる私の頭の中は真っ白になっていた。


この時、上手く取り繕っていれば、それができなくても『そんなつもりはなかった』とでも言って謝罪していれば、なんとかなったのかもしれない。


ようやくチャイムが鳴って彼女たちから解放された時にはホッとしたけど、すぐ傍で見ていたふたりのクラスメイトは私と目を合わせようとしなくて……。


この時から、私はクラスで孤立してしまった。


クラスメイトたちは、私のことをできる限り避け、目も合わせてくれない。


先生がクラスメイトづてに私を呼び出した時も伝言すら届かなくて、なにも知らない先生に注意されたこともあった。


教室にいるのが息苦しくなって、休み時間の度にトイレや人気のない場所に逃げた。


それでも、登校時と昼休みだけは今まで通り彩加と過ごすことができていたから、教室で孤立していてもなんとか頑張れていた――。