その日はそのまま解散することになり、私は一瞬だけ微妙な空気になったことが気になったけど……。


夜には塾の宿題とテスト勉強に追われていたせいでそんなことはすっかり忘れて、翌日もいつものように彩加と学校に行った。


違和感を抱いたのは、その直後のこと。


廊下で彼女と別れて教室に入ると、教室内の雰囲気がいつもと違うような気がしたのだ。


なにが違うのかはわからない。


ただ、教室に入った瞬間に目が合った数人のクラスメイトが私から視線を逸らし、いつも一緒に過ごすふたりのもとへ行って「おはよう」と言うと、どこか困ったように笑いながら挨拶を返された。


それらの出来事に違和感を感じないはずはなくて、もしかしたら顔や制服になにかついているのかと不安になったけど、さりげなく確認してみてもおかしなところは見当たらない。


そんな私のことをすぐ傍で見ていたのは昨日の四人で、彼女たちは数歩分の距離を歩いて来るとニッコリと笑った。


「松浦さん、おはよ。昨日はありがとねー」


「うちらバカだから、付き合うの面倒だったでしょ?」


「一応、ちゃんと頑張ったんだけどさぁ」


「ねー」


四人の口調に棘を感じながらも、出来るだけ笑顔で首を横に振った。