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十七歳の私は、大人達の言う“キラキラと輝く青春時代”の真っ只中にいるはずなのに、いつだってほんの小さな光さえ見えずにいた。


学校では楽しみを見つけられなくて、どこにいても思い切り笑顔になれるようなこともなくて。


そんな日々の中では、満たされることも心の底から幸せを感じることもできなくて。


周りがどうして笑っているのかわからなくて、どうすればあんな風に楽しそうにできるのか不思議でたまらなかった。


外に出れば、私はいつだってひとりぼっちで、そんな私のことなんて誰も見ていない。


こんな日々がこれからもずっと続くのかと思うだけで心が不安に襲われることがあって、先の見えない毎日は水の中にいる時のようにひどく息苦しくて。


前に進んでいるはずなのにそこから一歩も動けていないような気もしていて、こんなにもたくさんの人がいる中で私だけが孤独なのだとすら思っていた。


だけど……。


『俺のお願いを聞いてくれたら、君と君の未来を少しだけ変えてあげる。きっと、今よりもずっと楽しい人生になるよ』


雨上がりの夜に突然現れた彼は、まるで夜空に浮かぶ満月のように私の心に優しい輝きをそっと落とし、泣きたくなるほど幸せな日々を残していった――。