おちゃまるとの散歩道では、みっさんとよもちに会った。

みっさんと世間話をしながらよもちを撫でた。


帰宅後、おれは扉の開いているリビングへ「おちゃまるのブラシちょうだい」と声を掛けた。

ほんの数秒後、タオルの塊がリビングから飛んできた。

少し廊下を滑った後、おれの足元でそれは静止した。

「斜め前に飛ばすとはどんな投げ方したんだよ」

タオルの塊の中にはおちゃまるのブラシがあった。

おれが雑に扱うなと言ってから、母親は遠くに投げる際にはタオルに包むようになった。

初めてやられたときには、おちゃまるのためのものを投げるなと言いたかったのだがと腹の中にこぼした。

「まあタオルは洗ったばかりのやつだし、可としよう」

「わたしはこう見えて暇じゃないんだよ。仕事以外の時間はすべておちゃまるさんのための時間。廉にものを渡すための時間じゃないよ」

「まあおちゃまるのことを疎かにするのでなければおれの扱いなどどうでもいいけど……」

ねえおちゃまる、と声を掛け、「足綺麗にしようね」とおちゃまるを抱いたまま風呂場へ向かった。