神社は、現在のおれを作った小さな命との出会いを持ってきた。

それは小学校五年生の頃の真冬であったと記憶している。

当時のおれは宮原と二人、今年のクリスマスにはサンタクロースになにを頼むかと話していたはずだ。

この頃サンタクロースとやらが訪れないのだがとこぼした宮原に苦笑したのも覚えている。


年齢相応なおれたちのもとに、小さな黒猫が現れた。

黄色の目を持つその黒猫は、その後頻繁に現れた。