夜、自室へ行ってから、時計がここの一時間前を表している先の祖母に電話を掛けた。

会話の内容に変わったところは一切ない。

こちらの現状を気に掛ける祖母にそれを伝え、こちらも向こうの現状を問う。

祖父母の日常に大きな変化はなく、平穏に過ごしているとのことだった。


電話を切ったあと、おれはふうと息をついた。

やはり、慣れない言語を話したあとには疲労感が残る。

言葉選びを間違えはしなかったかなどと思考が巡る。

いくら考えても答えは出ない。


おれは布団を敷いた。

照明を消してその上にあぐらをかき、そのまま後ろに倒れた。

一度深く呼吸をし、目を閉じる。

眠りに就くのに時間は要らないように思えた。