「ねえ、廉くん」
宮原は荷物を片付けると、おれの席へ来た。
「廉くんは、異能力――とか超能力、とかってどう思う?」
「どう思う、か……」
おれは小さく唸った。
「漫画だのアニメだのではありふれた、一度は憧れの対象になるようなものだけど、実際に持っていた場合には悩みの種になりそう、といったところかな」
「ほう……。なんか廉くんって、前から思ってたけど軽い気持ちで持ち出した話題にもかなり真面目に付き合ってくれるよね」
まあ真面目な話をあしらわれるよりはいいけどね、と宮原は笑った。
「宮原は? 異能力だの超能力だのをどう思う?」
「僕は……さっき廉くんが言ってた、『一度』を経験中だよ」
「欲しいのか、変わった力が?」
「あったら面白そうじゃないか。人を思いのままに操り、ここからいい大学へ進む」
お前最低だな、とおれは苦笑した。
冗談だよと宮原も同じように返す。