記憶にある限り、おれの日常には必ず動物がいた。
幼稚園生の頃には家にリスがおり、幼稚園にはうさぎがいた。
家のリスが眠ってからは、うさぎが来た。
三年半ほどでそのうさぎが眠った次には、父親が弱った子犬を連れてきた。
「こんな寒い中、かわいそうで見ていられなかった」と彼は言った。
おちゃまると名付けたその当時の子犬はまだ家にいる。
おれや両親に犬種の知識がないために種類はわかっていないが、薄い茶色のその子犬は中型犬程度の大きさに成長した。
父親が幼少期より何頭もの犬を拾っては育てていたため、おちゃまるの心身の回復は想像よりも早かった。