応募部門:青春恋愛

廉は十四歳になる年に黒猫の神(じん)を腕の中で看取り、以来自分が神(かみ)であるという感覚が芽生える。

その感覚を確かめるために小さなことを念じ、結果、念じたことが必ず実現することと念じる内容が具体的であればあるほど実際の願いに近い形で実現することに気づく。

しかしその現象は他人の幸せが絡まぬ限り利用しないと決める。

高二の五月、席替えで入野と隣の席になり、後に彼女が自身の現状に大きな不満を抱いていると確信する。

その内容を聞き出そうと接触を試みるが冷たくあしらわれる。後に入野の興味を引いて彼女の不満を聞き出す。

父親が経営者であり、会社の後継と許婚との間に次なる後継者を求められているとのことだった。

必要以上に悲観する入野を諭し、写真家になるという彼女本人の夢を追わせる。

父親の対応に一喜一憂する彼女に寄り添い、後に入野の幸せを実現させ、

これからも一緒にいてほしいという彼女の額にキスをし、それがお前の願いならば叶えるまでだと答える。