紫藤 廉――お人好しで、痛くて寒い王子様。


彼は思い込みを捨てろと言った。


しかし人間たるもの、一切の思い込みをなく生きることは難しい。



だからわたしは、思い込みの内容を変えた。



わたしは、幸せである。



黑猫は かごの小鳥に キスをする。
【完】