検索結果にどきりとした。
放課後、おれはリビングでおちゃまるを撫でながら「もてる」という言葉の意味を調べた。
かつておれは多くの異性に好意を寄せられるという意味であると思っていた。
それが誤認であったわけではないが、「もてる」という言葉にはそれ以外の意味も含まれていた。
特定の異性に好かれることを表す場合もあるようだった。
「……廉? どうした」
不意に聞こえた声に目をやると、母親は心配そうにおれを見ていた。
「……母さん……」
「ん?」
「『もてる』って、多くの異性に好かれるという意味だけじゃないって知ってたか?」
「特定の人に好かれるという意味もあるよね。もちろん知ってるよ。人生のほとんどを、なんらかの形で日本に触れてるんだから。舐めないでよね」
「別に舐めていたわけではないが……。おれ、もてるのもう一つの意味、今この瞬間に初めて知ったから」
「へえ。賢くなれてよかったね」
「もっと早く知りたかったよ……」
おれはおちゃまるを撫でながら苦笑した。