父親は帰宅後、神が家に来たことを喜んだ。
「一つの命を危険から少しばかり離すことができた」と言った。
次に神とおちゃまるの仲を心配した。
神は温厚な性格のようだから問題はなさそうだと伝えると、それはよかったと安堵した。
神には黄色の首輪を着けた。
母親が「どっちも神さんに似合いそうで決められなかった」と黄色のものとともに購入してきた青色の方は
なんとなく神の好みではなかったらしく、着けたあとにずいぶんと気にしていた。
「こっちならどうかな」という母親の言葉で試した素材もデザインも同じ黄色のそれは、なにかが神の好みに合ったようだった。
「おちゃまるも、今は温厚だからね。よかったよ」
夕食中、父親は言った。
「そうだね。家に来たばかりの頃はかわいそうなほどだったけど」
おちゃまるがここまで回復したのも父さんのおかげだと続けると、父親は少し照れたように笑い、白米を口に入れた。