「廉、空ける瞬間大騒ぎだったもんな」

「おれは痛いのが嫌いなんだ」

「意外だよな、ピアスくらいじゃなんの反応もしなさそうなのによ」

「あまりそう見られたくないんだがな」

「まあしゃあねえべ。廉一見冷たそうだし。やっぱりおれみたいに優しそうにいかねえと」

「別に宮原も優しそうではないけどな」

「そうか……? 女子にはかわいいとか言われるんだけど。まあ、あんま嬉しくないけどな」

「変わった女子だな」

「まじで?」

じゃああの学校には変わったやつしかいねえやと宮原は笑った。

「そういや、おちゃまるは元気か?」

「ああ、元気だよ。さっき、学校も終わってやっと会えたのに、鬼母にぱしられて引き離された」

「ほう。まだ動物好きなんだな」

「動物は癒やしだ」

「廉の前で動物を馬鹿にしたようなこと言うと大変な目に遭うからな」

「それより、宮原は動物いじめたりしてないだろうな」

まさか、と宮原は両手を振った。

「いじめはしねえよ。ただ廉ほど大切には思えないってだけだ」

冷たい人間だなと返すと、宮原は苦笑した。