つぶらな瞳をユキに向けている。まるで自分がいい事をしたかのように褒めて欲しいといわんばかりだった。
「えっと、追い払ってくれて、助けてくれたんだね。ありがとう」
ユキは頭を撫でてやろうとこわごわと手を差し伸べれば、犬はそれを拒んでまず匂いを嗅いだ。
その後はユキの指先をペロッとなめる。
許しを貰ったみたいで、ユキはもう一度手を伸ばす。
今度は犬自ら頭を突き出しそれを快く受け入れていた。
「結構、人懐こいじゃない。よしよし、かわいいね、君」
首輪にメダルがついていたので、それを見れば『楓太』と電話番号が刻まれていた。
「フウタ?」
「ワン」
返事をするように吼えた後は、立ち上がってまたどこかへと歩いていった。
「ちゃんと家に帰るのよ」
ユキは手を振って別れを告げ、ある程度見送ってから自分も立ち去っていく。
「さあ、買い物しなくっちゃ。何買えばいいんだろう」
楓太の毛並みの狐色が、夕食のヒントとなってパッとアイデアが浮かんだ。
これならきっとトイラたちも気に入るはずだ。
急に夕食を作るのが楽しみになって、ユキの歩く速度が速まっていた。
一方、角を曲がろうとした楓太はもう一度振り返り、ユキがスタスタと歩いていくのをじっと見つめる。
そして自分もまたいるべき場所へと帰っていった。
「えっと、追い払ってくれて、助けてくれたんだね。ありがとう」
ユキは頭を撫でてやろうとこわごわと手を差し伸べれば、犬はそれを拒んでまず匂いを嗅いだ。
その後はユキの指先をペロッとなめる。
許しを貰ったみたいで、ユキはもう一度手を伸ばす。
今度は犬自ら頭を突き出しそれを快く受け入れていた。
「結構、人懐こいじゃない。よしよし、かわいいね、君」
首輪にメダルがついていたので、それを見れば『楓太』と電話番号が刻まれていた。
「フウタ?」
「ワン」
返事をするように吼えた後は、立ち上がってまたどこかへと歩いていった。
「ちゃんと家に帰るのよ」
ユキは手を振って別れを告げ、ある程度見送ってから自分も立ち去っていく。
「さあ、買い物しなくっちゃ。何買えばいいんだろう」
楓太の毛並みの狐色が、夕食のヒントとなってパッとアイデアが浮かんだ。
これならきっとトイラたちも気に入るはずだ。
急に夕食を作るのが楽しみになって、ユキの歩く速度が速まっていた。
一方、角を曲がろうとした楓太はもう一度振り返り、ユキがスタスタと歩いていくのをじっと見つめる。
そして自分もまたいるべき場所へと帰っていった。