マリもはっきりと物をいうタイプ。
 海外で討論の仕方を教えられたユキは、マリの意見を否定して自分の考えを伝えてしまった。

 真っ向から否定されたマリはプライドを傷つけられ、ユキにむっとしてしまう。
 でも最初はそれを抑えていたが、毎回話す度にユキの態度に我慢ができなくなっていった。

 マリは一応ユキと仲良くなろうと努力はしたが、海外から戻ってきたばかりのユキには物事を深く考える余裕などなかった。

 その行き違いが、相容れないお互いの関係を築き上げしまい今に至る。

 面倒見がよく、みんなから信頼の厚いマリに対して、鼻つまみとなってしまったユキには庇ってくれる味方がいない。どっちに人がつくかは歴然だった。

 気がついたときにはユキの周りには誰もいなかった。

 自分はどうせ海外で暮らしたから、他のみんなとは違う。
 ユキも鼻っ柱が強いから折れてまで仲良くなんてなりたくなかった。

 マリはユキの謙虚のないそういう態度が許せないらしく、露骨に絡んでくるようになった。

 マリがユキに絡むことで、他の女子たちは溜飲を下げ、陰口だけで終わる。

 マリだけがこうやってわざわざユキを責めてくるのだった。

 それをかわして、ユキは沈痛な面持ちで机についた。