「ユキ、俺はお前に会えて本当によかった。これもまた俺には必要なことだったらしい。お前に恋をして愛するということを学んだ。俺は本当にお前を愛してる。ユキ、今までありがとう」

 キースと仁はその言葉を聞くと、奇妙な顔つきになり、頭の中で疑問符が乱舞していた。

 ──トイラは一体何をするつもりなんだ。

 キースと仁は真の意味を知りたいがためにお互い顔を見合わせる。
 
 ユキは虫の息の中、必死でトイラに触れようと手をあげた。

 トイラはしっかりと愛情を込めて握ってやった。

 そしてとうとうその時がきた──。

 ユキの胸のアザが満月となり、胸から眩いばかりの光が放たれた。

 それと同時に割れた太陽の玉が浮きあがり、また一つの形に戻ってユキに近づいてくる。

「あっ、太陽の玉が元に戻った」

 キースもジークもたじろぐほど驚いた。

 トイラはユキを深く抱え込み、この時がチャンスだと自分の口をユキの唇に重ね、もてる限りの愛を込めてキスをした。

 太陽の玉がトイラとユキの頭上に現れ、回りながら光を放すと、二人は天使に包み込まれたように金色に輝いた。

 一体何が起こってるのというのだろう。

 ユキは助かるのか。

 二人を照らす輝きが周りのものを押さえつける。

 そのまま黙って見てろと光は邪魔を一切許さない。

 儀式とでもいう神聖な次元でトイラとユキは光のカーテンに覆われて隔離された。