6
キッチンから漂う朝食の匂いにキースは反応し、くんくんと鼻を鳴らせている。
「なんか食欲をそそる匂いだね」
フライパンをもっているユキの傍に来て覗き込んだ。
「椅子に座って待ってて。すぐできるから」
先ほど見てしまった裸がちらついて、ユキはキースを邪険に扱ってしまう。
トイラも現れると、さらに自分が犯した失態に身が竦んでしまった。
普通を装うとしてもまともに顔がみられなくて、却って意識して一人気まずくなっていた。
トイラとキースは朝の一騒動もすっかり忘れて、テーブルの上の用意された朝食をじっと見ている。
ユキが目玉焼きとベーコンを運んでくると、キースは目を細めて喜んだ。
「僕、これ好きかも」
「温かいうちに食べて」
ユキに言われるや否や、キースはベーコンをすぐに口に入れていた。
トイラも黙々と食べだした。
ユキがコーヒーを片手にしてテーブルにつくと、トイラが顔を上げた。
「ユキは食べないのか?」
「なんか今日は食欲なくてね」
その原因を作ったのはあんたたちだと言ってやりたがったが、ぶり返すのが嫌で我慢した。
「俺たちのせいか?」
「いや、別にそうじゃないけど」
直球を投げられたら否定するしかできなくて、ユキはあたふたしていた。
話題を変えようと、ユキは昨晩の猫の事を持ち出した。
キッチンから漂う朝食の匂いにキースは反応し、くんくんと鼻を鳴らせている。
「なんか食欲をそそる匂いだね」
フライパンをもっているユキの傍に来て覗き込んだ。
「椅子に座って待ってて。すぐできるから」
先ほど見てしまった裸がちらついて、ユキはキースを邪険に扱ってしまう。
トイラも現れると、さらに自分が犯した失態に身が竦んでしまった。
普通を装うとしてもまともに顔がみられなくて、却って意識して一人気まずくなっていた。
トイラとキースは朝の一騒動もすっかり忘れて、テーブルの上の用意された朝食をじっと見ている。
ユキが目玉焼きとベーコンを運んでくると、キースは目を細めて喜んだ。
「僕、これ好きかも」
「温かいうちに食べて」
ユキに言われるや否や、キースはベーコンをすぐに口に入れていた。
トイラも黙々と食べだした。
ユキがコーヒーを片手にしてテーブルにつくと、トイラが顔を上げた。
「ユキは食べないのか?」
「なんか今日は食欲なくてね」
その原因を作ったのはあんたたちだと言ってやりたがったが、ぶり返すのが嫌で我慢した。
「俺たちのせいか?」
「いや、別にそうじゃないけど」
直球を投げられたら否定するしかできなくて、ユキはあたふたしていた。
話題を変えようと、ユキは昨晩の猫の事を持ち出した。