ユキと仁は、息を切らしながら、まだ枝を振って鳥たちを追っ払っていた。
もう限界だった。
そしてユキの胸の痛みが少しずつ増し、手の動きが鈍くなって きた。
「ユキ、大丈夫か」
「ダメ、またジークが近くに来ているわ。胸がさっきより痛み出した」
鳥に襲われている状態では歩くこともできない。
しかし、不思議なことに鳥たちが一斉に移動していった。
「あっ、鳥が、襲わなくなった。助かった」
仁が、地面に座り込んで安心したのもつかの間、何やら煙たい風とともに、燃える匂いがする。
「まさか、これ山火事? あの家から火が出たのか。ユキ、山を降りなきゃ」
しかし、ユキは地面にうずくまっていた。
「ユキ、胸が痛むのか? くそっ」
仁がユキをおんぶしようとしたそのとき、コウモリがさっと頭の上をかすったかと思うと、仁の前にぱっと立ちはだかった。
仁の胸倉を掴み、ごみを捨てるように軽々しく投げ飛ばす。
仁は地面にぐしゃりと落ち、痛みと悔しさで顔を歪ませていた。
それでも歯を食いしばり、ユキを助けようと必死に立ちあがろうとする。
だが、ユキはすでにジークに捕らえられてしまっていた。
「ユキ、さあ来るんだ。胸のアザはどれぐらい大きくなったんだ」
ボタンが外れていたシャツの間から、痣が顔を覗かしていた。
「もうこんなに大きくなったのか。あと少しだ。あと少しで月の玉が出てくる」
「嫌よ、あなたなんかに渡すものですか」
ユキは激痛の中、必死に耐えて、追い詰められたウサギが狼に噛むように、ジークに体当たりしてぶつかった。
ジークは不意をつかれ地面の上に倒れた。
ユキは襲い掛かるように馬乗りになり、ジークの着ている服を脱がす勢いで、体の中の太陽の玉を捜した。
もう限界だった。
そしてユキの胸の痛みが少しずつ増し、手の動きが鈍くなって きた。
「ユキ、大丈夫か」
「ダメ、またジークが近くに来ているわ。胸がさっきより痛み出した」
鳥に襲われている状態では歩くこともできない。
しかし、不思議なことに鳥たちが一斉に移動していった。
「あっ、鳥が、襲わなくなった。助かった」
仁が、地面に座り込んで安心したのもつかの間、何やら煙たい風とともに、燃える匂いがする。
「まさか、これ山火事? あの家から火が出たのか。ユキ、山を降りなきゃ」
しかし、ユキは地面にうずくまっていた。
「ユキ、胸が痛むのか? くそっ」
仁がユキをおんぶしようとしたそのとき、コウモリがさっと頭の上をかすったかと思うと、仁の前にぱっと立ちはだかった。
仁の胸倉を掴み、ごみを捨てるように軽々しく投げ飛ばす。
仁は地面にぐしゃりと落ち、痛みと悔しさで顔を歪ませていた。
それでも歯を食いしばり、ユキを助けようと必死に立ちあがろうとする。
だが、ユキはすでにジークに捕らえられてしまっていた。
「ユキ、さあ来るんだ。胸のアザはどれぐらい大きくなったんだ」
ボタンが外れていたシャツの間から、痣が顔を覗かしていた。
「もうこんなに大きくなったのか。あと少しだ。あと少しで月の玉が出てくる」
「嫌よ、あなたなんかに渡すものですか」
ユキは激痛の中、必死に耐えて、追い詰められたウサギが狼に噛むように、ジークに体当たりしてぶつかった。
ジークは不意をつかれ地面の上に倒れた。
ユキは襲い掛かるように馬乗りになり、ジークの着ている服を脱がす勢いで、体の中の太陽の玉を捜した。