「感心している場合じゃないでしょ。今言った通りよ、動物実験センターはこの建物の裏手の部屋よ。そこにトイラ達が居るはず。早く忍び込んで助けてきなさい。私はなんとか奴の気を逸らしてるから」

「わかったよ。気をつけろよ、良子」

 三人はこの建物の大体の情報を良子から聞いた。

 トイラとキースを救うために、こそこそと裏手に回る。

 良子はシャツの胸のボタンを一つ外した。

 胸の谷間が一層見えて、良子の胸の大きさが益々強調された。

 玄関のドアが開く。

「はーい、田島さん。お久しぶりね」

 良子はお色気たっぷりにあいさつした。

 田島は突然の訪問客に目を白黒させて驚いていた。

 そして視線は良子の胸の谷間へと向かう。

「良子さんじゃないですか。あなたがここに現れるなんて。どんなに誘っても来なかった人が」

「あら、ご迷惑だった?」

 何かをすがるように目をうるうるさせて、甘えた態度で良子は接した。

 良子もまた獣医の世界では美しいマドンナ的存在。

 男性の間では有名な獣医だった。

「あっ、いえ、迷惑じゃないです。よかったらどうぞ中へ」

 あの胸の谷間を見せられて断る男も早々いなかった。

 『しめた』と目を光らせ、良子は中に入った。