じっと前を見つめ困惑している生徒たちの様子を窺いながら、教壇に立った村上先生は始まりの合図のようにコホンと喉を鳴らした。
「みんなおはよう。えー、ここにいる彼らだが、今日からこのクラスで一緒に学ぶことになった転校生だ」
担任から紹介を受け、クラス中の視線を一斉に浴びてもふたりは物怖じすることなく、姿勢を正して堂々としていた。
それは突然に、その朝降って湧いたごとくそこに現れ、その存在を皆に見せ付けている。
見掛けがどう見ても外国人だった。
誰もが見慣れないその姿に圧倒された。
始まったばかりの新学期。
二人の転校生。
そして外国人――。
非日常的な出来事すぎて、物珍しさからじろじろとふたりを見ずにはいられない。
ただ一人、ユキだけは冷静に受け止めている。
というより、冷めた目でちらりと見てから小さくため息を吐いて窓の外に目を向ける。
まるで転校生の二人を毛嫌いしているとでも言わんばかりに。
何かが自分に降りかかるに違いない。
直感で感じた嫌な気持ちを蹴散らし、ユキは無になろうとしていた。
これには彼女なりの訳があった――。
「みんなおはよう。えー、ここにいる彼らだが、今日からこのクラスで一緒に学ぶことになった転校生だ」
担任から紹介を受け、クラス中の視線を一斉に浴びてもふたりは物怖じすることなく、姿勢を正して堂々としていた。
それは突然に、その朝降って湧いたごとくそこに現れ、その存在を皆に見せ付けている。
見掛けがどう見ても外国人だった。
誰もが見慣れないその姿に圧倒された。
始まったばかりの新学期。
二人の転校生。
そして外国人――。
非日常的な出来事すぎて、物珍しさからじろじろとふたりを見ずにはいられない。
ただ一人、ユキだけは冷静に受け止めている。
というより、冷めた目でちらりと見てから小さくため息を吐いて窓の外に目を向ける。
まるで転校生の二人を毛嫌いしているとでも言わんばかりに。
何かが自分に降りかかるに違いない。
直感で感じた嫌な気持ちを蹴散らし、ユキは無になろうとしていた。
これには彼女なりの訳があった――。