「えらいことになったな」

 キースが人事のように言った。

「おい、一体どうなってんだ。なんで俺達の秘密がばれちまったんだよ。どうするんだキース。俺たち捕まっちゃうのか」

「いや、それはないだろう。あの写真だけではまだ本当のことかわからないよ。僕達が普通にしていたら、大丈夫さ。あれはやらせですって、そのうちそうなるさ。話題性でこうなってるだけさ」

 慎重なキースがまじめに受け取ってないので、トイラは少し安心した。

「私、仁が許せない。仁が裏切ったのよ」

 ユキはどうしようもない怒りで体が震えていた。

「とにかく、今日は学校に行った方がいいぞ」

 キースが言った。

「えっ、こんなときに学校に行けるもんか」

 トイラが吼えた。

「いや、行かなきゃ、それこそ、この写真の姿を認めたことになる。堂々と出て、否定すればいいことさ。それに学校の中までは入ってこないさ」

 三人は早速、身支度をして、学校に向かおうとする。

 ユキも仁に会って直接文句を言わないと気がすまない。

 気合を入れてユキは玄関のドアをスライドさせた。

 レポーターが待ってましたの様に身構えたが、三人は堂々とその中へ突っ込んで行った。