居場所を探し続けて自分を悲観してきたが、周りが何であれ、自分が楽しもうと思わなければ何も変えられない。
限られた命ならば、なお更時間は無駄にできない。
悩んでる暇があれば笑うこと先に考えよう。
ユキの手は自然と痣のある胸へと向かった。
命の長さが違う、年を取らないトイラやキースは何百年と生きてきて、一体何を思い、何を感じているんだろうと、ふとユキはじっとトイラを見つめる。
「なんだよ、ユキ。怒ってるのか。からかって悪かった」
「違うの。ほら、トイラたちって何百年も生きて、ずっとそのままの姿でしょ。どんな人生を感じてるのかなって思ってたの」
「人生か。ほんと僕達の人生は長いな。でもこれだけは言えるよ、今が一番楽しいときだって」
キースは青空を見上げて、独り言のように呟いた。
「ああ、全くその通りだ。ユキと出会えたこのときが、本当に楽しい」
だが、トイラは言葉とは裏腹に、表情に陰りが出ていた。
幸せなはずなのに、目の前の大きな問題が気がかりで素直に楽しいとはいいにくそうだった。