朝の日差しが木々の間からすっと差し込んで、ユキは目覚めた。
目の前には黒いしなやかな毛。シルクのように光沢めいている。そっと小さな手でそれを撫ぜた。
トイラが顔を上げ、ユキを見つめる。
無表情で、恐ろしさを秘めた黒豹の顔。
しかしユキはずっと探していたものを見つけたように喜んでぎゅっとトイラの首筋を強く抱きしめた。
トイラの方が面食らって『うっ』とうめき声をあげた。
それでもユキのされるがままに耐えていた。
「なんて温かいの。ここが私の居場所? そしてあなたが私の新しい友達?」
ユキは不思議なことを言った。トイラは緑の目でユキを深く見つめる。
ユキは怖じけるどころかトイラを気にいっている。
「私はユキ、あなたの名前は?」
「トイラ」
「うわぁ、喋れる! しかも日本語が分かるの? すごい。それにかわいい名前。まるでおもちゃ(TOY)が一杯詰まってそうね。そしてその目、なんてきれいな緑なの。エメラルドの宝石みたい」
ユキはあどけなくコロコロと笑って一人で喋っていた。
トイラの毛並みを時々優しく撫ぜる。
それが心地よくトイラは目を細め、喉をゴロゴロ鳴らしていた。
「優しいのね。一晩中、傍にいてくれてありがとう」
ユキが抱きつく。トイラも頭をすり寄せた。
自分の物というように匂いをこすりつけているようにもみえた。
目の前には黒いしなやかな毛。シルクのように光沢めいている。そっと小さな手でそれを撫ぜた。
トイラが顔を上げ、ユキを見つめる。
無表情で、恐ろしさを秘めた黒豹の顔。
しかしユキはずっと探していたものを見つけたように喜んでぎゅっとトイラの首筋を強く抱きしめた。
トイラの方が面食らって『うっ』とうめき声をあげた。
それでもユキのされるがままに耐えていた。
「なんて温かいの。ここが私の居場所? そしてあなたが私の新しい友達?」
ユキは不思議なことを言った。トイラは緑の目でユキを深く見つめる。
ユキは怖じけるどころかトイラを気にいっている。
「私はユキ、あなたの名前は?」
「トイラ」
「うわぁ、喋れる! しかも日本語が分かるの? すごい。それにかわいい名前。まるでおもちゃ(TOY)が一杯詰まってそうね。そしてその目、なんてきれいな緑なの。エメラルドの宝石みたい」
ユキはあどけなくコロコロと笑って一人で喋っていた。
トイラの毛並みを時々優しく撫ぜる。
それが心地よくトイラは目を細め、喉をゴロゴロ鳴らしていた。
「優しいのね。一晩中、傍にいてくれてありがとう」
ユキが抱きつく。トイラも頭をすり寄せた。
自分の物というように匂いをこすりつけているようにもみえた。