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全ての授業が終わった放課後、ミカは自分のものになったような勢いですぐにトイラの前に現れた。
「さあ、行きましょう、トイラ。英語の歌も沢山あるわよ。トイラの歌聴いてみたい」
ユキは横目でちらりと見ていた。
トイラはきっと不機嫌な顔をしてるはず。
だが、すくっと自ら立って『オッケー』と答えていた。
トイラがミカに文句の一つでも言って嫌がる気持ちをまず示してくれたら、ユキは少しは心が晴れたのにと、複雑な心境をのぞかせていた。
『いかないで、トイラ』
本心はこれだった。
キースも他の女の子達に囲まれ、押されるように既に教室の外へと出ていた。
ユキは精一杯とってつけた笑顔で『楽しんできてね』とトイラに言うと、トイラは何か言いたげな目をしている。
それを邪魔するようにミカがトイラの腕に自分の手を回して引っ張った。ちらっとユキを見て薄ら笑いを浮かべている。
ユキには一瞬のことで、その笑いの意味を深く考えることはなかった。
トイラはミカに引っ張られるまま、慌てて一言残した。
「ユキ、ネコとイヌと一緒に……」
「はっ?」
ユキには訳のわからないメッセージだった。
全ての授業が終わった放課後、ミカは自分のものになったような勢いですぐにトイラの前に現れた。
「さあ、行きましょう、トイラ。英語の歌も沢山あるわよ。トイラの歌聴いてみたい」
ユキは横目でちらりと見ていた。
トイラはきっと不機嫌な顔をしてるはず。
だが、すくっと自ら立って『オッケー』と答えていた。
トイラがミカに文句の一つでも言って嫌がる気持ちをまず示してくれたら、ユキは少しは心が晴れたのにと、複雑な心境をのぞかせていた。
『いかないで、トイラ』
本心はこれだった。
キースも他の女の子達に囲まれ、押されるように既に教室の外へと出ていた。
ユキは精一杯とってつけた笑顔で『楽しんできてね』とトイラに言うと、トイラは何か言いたげな目をしている。
それを邪魔するようにミカがトイラの腕に自分の手を回して引っ張った。ちらっとユキを見て薄ら笑いを浮かべている。
ユキには一瞬のことで、その笑いの意味を深く考えることはなかった。
トイラはミカに引っ張られるまま、慌てて一言残した。
「ユキ、ネコとイヌと一緒に……」
「はっ?」
ユキには訳のわからないメッセージだった。