節分が日曜日なのは、いけないことなのだろうか。そもそも、まだ二ヶ月も先のことを気に病む必要があるのだろうか。


 「節分祭って言って、福豆とお餅を参拝者さんに撒くイベントがあるんだけど、休日だと平日の三倍は人がやってくるんだ。うちの神社、縁結びで結構有名だしね」


 なるほど、と頷く。

 たしかに休日なら、普段参拝に来れない人でも都合が付けやすい。


 「日中は福豆を袋へ詰める作業を手伝ってもらっていいかな」

 「あ……はい」

 「ありがとう、麻ちゃん。それにしても、あの数じゃ福豆たりないよね、どうしようかなあ……」


 眉根を下げて悩む三門さんは、最後の一つになった卵焼きのお皿を私の前に滑らす。

 そんなさりげない心遣いに、胸がほんのり温かくなった。