「私の覚悟を確かめる賭けですか?」

「違う」

「お前の死に対する覚悟はその程度だったんだよ、って笑うためですか?」

「違う」

「なら何だって言うんですか!」


感情が高ぶって思わず声を荒げる。外に聞こえることなんて気にしなかった。
だって分からない。
弘海先輩の考えていることが何一つ。
何だってそんな悔しそうに、哀しそうに見つめられなければならないの。

弘海先輩には関係ない。
これまで私の十八年の人生の中で、一年もないほどの接点しか持たなかった弘海先輩に、私の葛藤なんか教える筋合いはない。
分かってもらいたくもない。


憎しみを込めた視線を向けても、弘海先輩は私から目を逸らさなかった。