——『あ、なんかイケメンさんだ』


これが私の弘海先輩に対する二番目の印象。
二重瞼に、通った鼻筋、形も血色も良い唇、おまけに私の頭に顎乗っけられそうなくらい長身。水を浴びて髪はぺちゃんこだったけれど、パーツの1つ1つが均整のとれた配置で、純粋に綺麗だなと思った。
もっとも、来海先輩や日下部先輩のように騒がれていた一味の一人ではなかったから、イケメンさんというのは私の主観にすぎなかったけど。

何しろ、弘海先輩は水を流したままのホースを手に私を見つめてきた。
私もイケメンさんがどうしてこんな奇行を繰り広げているのか甚だ疑問で、次にどう動くのかを待っていた。

多分数秒見つめあっていた。
すると、弘海先輩はホースを持ち上げて、


「浴びる?」