高校三年生の八城杏那はある悩みが原因でクラスでも孤立していたが、頼りにしていた父親の一言がきっかけで、飛び込み自殺を試みる。しかし卒業以来音信不通だった、葛西弘海によって阻止される。死ねなかったことに動揺した杏那は、教育実習生として母校に戻っていた弘海を徹底的に避けるが、弘海はそれでも「僕を信じて」と杏那に歩み寄る。三週間という短い期間で急速に距離を縮める二人。しかし杏那は、かつてその悩みが原因で裏切ってしまった友人の傷が癒えていないことを知り、存在意義を見失って再び自殺を試みる。またしても弘海に阻止されるが、それきり弘海は姿を消す。
歳月が過ぎ、事故に遭った弘海に代わり杏那は二学期の間だけ臨時職員として母校に勤務していた。そこで弘海と再会し、実は事故に遭う前の弘海が生きていた世界で自分は自殺し、昏睡状態の中で弘海が見た夢の中で救われたという話を聞く。信じがたいが、今自分も弘海も同じ世界に存在することに変わりはない、と杏那は弘海の言葉を信じ、また会うことを共に約束する。