約束、かも怪しいけれど。
土曜日、午後四時前。
私は出水駅構内で待っていた。
もしかしたら聞き間違えかもしれない。
私の思い上がりかも。
でも、はっきりそう聞こえた約束を、たとえ自惚れでも破りたくはないと思った。
だから待っていた。
仮にも今は先生と生徒の間柄だから、あまり目立たないように、白のTシャツにジーンズ、スニーカー、ピンク色のポシェットを肩から下げて。
改札を出て、階段を降り、時計台の前で行き交う人々を眺めながら、待ち人を探していた。
待ち合わせよりも少し早く着いて、約束の時間を過ぎて、かれこれ十分くらい待っているけれど、一向にそんな人の影は見当たらない。
やっぱり私の勘違いだろうか。
でも連絡をしようにも、私は弘海先輩の連絡先を持っていない。
だから、待つことしかできない。
もう少し待ってみよう、もう少し、という間に一分、二分と過ぎていく。
時計は四時二十分を過ぎたけれど、弘海先輩は中々現れなかった。
……やっぱり、私の思い違い。
ていうか、ちょっと浮かれちゃってバカみたい。
もう帰ろうか。
これ以上待ってて、誰か学校の人に見つかっても厄介だし。
そう思って、踵を返した時だった。
土曜日、午後四時前。
私は出水駅構内で待っていた。
もしかしたら聞き間違えかもしれない。
私の思い上がりかも。
でも、はっきりそう聞こえた約束を、たとえ自惚れでも破りたくはないと思った。
だから待っていた。
仮にも今は先生と生徒の間柄だから、あまり目立たないように、白のTシャツにジーンズ、スニーカー、ピンク色のポシェットを肩から下げて。
改札を出て、階段を降り、時計台の前で行き交う人々を眺めながら、待ち人を探していた。
待ち合わせよりも少し早く着いて、約束の時間を過ぎて、かれこれ十分くらい待っているけれど、一向にそんな人の影は見当たらない。
やっぱり私の勘違いだろうか。
でも連絡をしようにも、私は弘海先輩の連絡先を持っていない。
だから、待つことしかできない。
もう少し待ってみよう、もう少し、という間に一分、二分と過ぎていく。
時計は四時二十分を過ぎたけれど、弘海先輩は中々現れなかった。
……やっぱり、私の思い違い。
ていうか、ちょっと浮かれちゃってバカみたい。
もう帰ろうか。
これ以上待ってて、誰か学校の人に見つかっても厄介だし。
そう思って、踵を返した時だった。