一体僕は今どこにいるのだろう。


 僕は誰だっけ。


 そうだ、僕は交通事故にあって、車にはねられ瀕死の状態だった。

 もうそろそろ、天国からお迎えがくるころだろうか。

 それとも地獄か……

 まだそれらしいものが来ないと言う事は、僕はかろうじて死んでないということだ。

 僕ははっきりと全てを思い出せないまま、靄の中を彷徨っている。

 慌てるな、順序立てて考えてみよう。


 僕はなぜ、僕の人生を振り返らずに、悠斗と葉羽の物語をみていたのだろう。

 あんなのを見せられたら、僕は何一つ一生懸命にならないで生きていたことをとても後悔してしまう。

 僕は一体今まで何をしてきたのだろうか。