やがて二人は大人になって、過去の自分たちを照れくさく恥ずかしげに笑い、大切に愛おしむ。

 そこには体を押しつぶすような絶望も存在していて、二人で闘ってそれを乗り越えた証として忘れないでいるようだ。


 辛い事もこの二人には必要な事だったと、今では笑って語り合える。


 その結果、絵に描いた幸せが二人の周りを包んでいた。



 僕はそれが微笑ましいと同時に、二人の愛の力強さに心が震えた。



 この後、この二人はどうなるのだろう。

 子供が生まれ、温かい家庭を作って、自分がなりたいと思う親へと変わっていく。

 こんな両親から生まれてきた子供は幸せになってほしい。


 ならなくちゃいけないくらいだ。


 あらん限りの愛情を二人から与えられ、大切に育てられるに違いない。

 せめていい子が生まれる事を願う。


 自分のような我がままで勝手な子供ではありませんように──

 僕がそう思った時、僕の心臓がドクンと波打った。