3
葉羽の母親は俺を冷房の効いた涼しい居間に通して、そして冷たい麦茶とお菓子を出してくれた。
喉が渇いていた俺は、遠慮なくすぐ麦茶を口にした。
甘いジュースを出されるより、その冷たいすっきりとした麦茶は香ばしくてとても喉越しよく、俺の喉の渇きを潤してくれた。
俺が麦茶を飲むのを、葉羽と兜が見守るように見ていた。
「おかわりいる?」
葉羽が空っぽになったグラスを見つめ、俺に問いかける。
俺は首だけを横に振って断った。
兜は口数少なかったが、次第に好奇心が抑えられなくて、自分の玩具が入った箱を引っ張り出して俺の側に座った。
目の前に何かのキャラクターの縫いぐるみやロボットが広げられ、得意げな顔をするので、「すごいな」と、羨ましくもないけど演技で羨ましいフリをしてやると、すぐに打ち解けてきた。
ちょろいもんだった。
普段姉とばかり遊んでいるだけに、男の俺と遊ぶ事が楽しく感じたのだろう。
人見知りだった消極な態度が一変して、笑顔ニコニコと俺にすり寄り甘え出してきた。
俺も芳郎兄ちゃんと遊んでもらった事を思い出し、昔の自分を見ているようで、兜とはなんとか上手くやって行けそうな気になった。
男同志だと気を遣う事もない。
でも目の前の葉羽にだけは、どのように接していいのか、俺は逡巡していた。
葉羽も同じ思いなのか、まだ恥ずかしげに目だけはじっと俺を見ていた。
葉羽の母親は俺を冷房の効いた涼しい居間に通して、そして冷たい麦茶とお菓子を出してくれた。
喉が渇いていた俺は、遠慮なくすぐ麦茶を口にした。
甘いジュースを出されるより、その冷たいすっきりとした麦茶は香ばしくてとても喉越しよく、俺の喉の渇きを潤してくれた。
俺が麦茶を飲むのを、葉羽と兜が見守るように見ていた。
「おかわりいる?」
葉羽が空っぽになったグラスを見つめ、俺に問いかける。
俺は首だけを横に振って断った。
兜は口数少なかったが、次第に好奇心が抑えられなくて、自分の玩具が入った箱を引っ張り出して俺の側に座った。
目の前に何かのキャラクターの縫いぐるみやロボットが広げられ、得意げな顔をするので、「すごいな」と、羨ましくもないけど演技で羨ましいフリをしてやると、すぐに打ち解けてきた。
ちょろいもんだった。
普段姉とばかり遊んでいるだけに、男の俺と遊ぶ事が楽しく感じたのだろう。
人見知りだった消極な態度が一変して、笑顔ニコニコと俺にすり寄り甘え出してきた。
俺も芳郎兄ちゃんと遊んでもらった事を思い出し、昔の自分を見ているようで、兜とはなんとか上手くやって行けそうな気になった。
男同志だと気を遣う事もない。
でも目の前の葉羽にだけは、どのように接していいのか、俺は逡巡していた。
葉羽も同じ思いなのか、まだ恥ずかしげに目だけはじっと俺を見ていた。