サボテン爺さんと言えば、派手派手の金ぴか衣装をまとって、くねくねと独特の踊りを披露する、最高のマジシャンだ。
 

 チャラララララ~♪
 チャラララララ~ラ~♪


 その時、オリーブの首飾りのBGMがどこからともなく聞こえてきたような気がした。


 それにのって踊るサボテン爺さん。

 社会の窓全開でもなんのその。


 窓際に置かれたサボテンも、サボテン爺さんの事を思い出して懐かしく思っているのかもしれない。



 僕も手品を習ってみようか。

 急に手からバラの花を出してみたくなった。


 チャラララララ~♪
 チャラララララ~ラ~♪


 まだ音楽が頭の中で流れていた。
 

 今夜はとてもきれいな月夜の晩。

 奇跡が起こってもおかしくないような、マジックにもってこいの背景だ。


 父と母のサボテンマジックの話を聞くには最高の夜に相応しく、僕たち三人の親子の絆も夜更けと共に深まっていった。



The End