「ったく、猪狩のヤツ……チビのくせに態度だけはでけぇんだよなー。ダメだわ、オレ。ああいうタイプの女とは友達にすらなれる気がしねぇ」

「友達も何も、猪狩華絵はもう……」

 そう言いかけて、詠斗はハッと顔を上げた。

「……巧、今何て言った?」
「は?」

 詠斗の真に迫る顔に、巧は少しうろたえながら眉間にしわを寄せた。

「なんだよ、急に……」
「紗友」

 巧の言葉を遮り、詠斗は紗友へと視線を移す。

「猪狩華絵ってどんな外見してる?」

「外見? うーん……背の低い菜々緒、みたいな感じかな」

 口に出したそのままのことを、紗友は相関図の中の『猪狩華絵』の文字の下に書き込んだ。