布団から抜け出し、学習机の横の壁にかけられたカレンダーの前まで移動する。

机の上に置いたペン立ての中から赤いマジックをとって、カレンダーのページをめくる。

『その日』の日付を確認すると、大きな星印をつけた。


――これが、私の『運命の日』だ。

私には、この日までに、どうしてもやらなくてはいけないことがある。

ペンの蓋をきゅっと締めて、星印を凝視しながら唇を引き結ぶ。


覚悟を、決めないといけない。

私自身のためにも、大切な人のためにも。


『運命のあの日』までの間、私は私にできる全てのことを、ありったけの力を注いで、私に与えられた時間を全て使って、何としてでもやり通してみせる。


何もかも捧げたって、少しも惜しくなんかない。

だって、私はそれだけのものを与えてもらったのだから。


ほんの少しでいいから、それを返したいのだ。

きっと、どれだけ返したって足りないけれど、それでも、できることは全てやっておきたい。