迅と入ったのはファーストフード店。どこの駅前にもある赤字に黄色のロゴのお店だ。店内は同世代の子たちがひしめいていた。他にはサラリーマンが休憩に使っているみたい。
「家帰るのいつ以来?」
「先月一度来たよ。聖(さとし)の卒業祝いで」
迅はハンバーガーをふたつ、コーラのLサイズをせわしなく口に運びながら答える。
すごくお腹が減っていたみたいに見えるけれど、迅はいつもこんな感じ。落ち着きなくて騒がしくて、なんでも元気にたくさん食べる。
よく言えばパワフル、悪く言えばうるさい。
「聖も中学生だもんね」
「でかくなったよなぁ。10コも年が離れてると、俺も親父みたいな気持ちになるわ」
聖は迅の10歳下の弟で、私とは5つ違い。今年中学生にあがったばかりだ。
「私、背なんか来年には抜かされてそう」
「マナカはちっちぇから」
迅は陽気に笑う。迅が大きいだけで私は普通だ。そりゃあ、もう何センチかはあってもいいと思うけど。
153センチ、痩せ過ぎで貧相に見える身体、厚めバングスのショートボブ。おとなしい男子中学生みたいな私の容姿は、背が高くて痩せているけど筋肉質な迅と並ぶと、余計幼く見える。
「マナカだって高3だもんな。受験生なんだよな」
「高3がみんな受験するわけじゃないよ」
「マナカは受験するだろ?二年間学年トップから退いたことないって春香おばちゃんから聞いたぞ」
「家帰るのいつ以来?」
「先月一度来たよ。聖(さとし)の卒業祝いで」
迅はハンバーガーをふたつ、コーラのLサイズをせわしなく口に運びながら答える。
すごくお腹が減っていたみたいに見えるけれど、迅はいつもこんな感じ。落ち着きなくて騒がしくて、なんでも元気にたくさん食べる。
よく言えばパワフル、悪く言えばうるさい。
「聖も中学生だもんね」
「でかくなったよなぁ。10コも年が離れてると、俺も親父みたいな気持ちになるわ」
聖は迅の10歳下の弟で、私とは5つ違い。今年中学生にあがったばかりだ。
「私、背なんか来年には抜かされてそう」
「マナカはちっちぇから」
迅は陽気に笑う。迅が大きいだけで私は普通だ。そりゃあ、もう何センチかはあってもいいと思うけど。
153センチ、痩せ過ぎで貧相に見える身体、厚めバングスのショートボブ。おとなしい男子中学生みたいな私の容姿は、背が高くて痩せているけど筋肉質な迅と並ぶと、余計幼く見える。
「マナカだって高3だもんな。受験生なんだよな」
「高3がみんな受験するわけじゃないよ」
「マナカは受験するだろ?二年間学年トップから退いたことないって春香おばちゃんから聞いたぞ」