「俺のロスタイムってあとどれくらいあるんだろう。もう一週間ダラけさせてもらってるけど、相当、日頃の行いが良かったんだろうなぁ」
「何か思い残すことがあったんじゃないの?それを叶えたら成仏できるのかもよ」
迅は身体を起こし、腕組みをする。考え込む顔を私はのぞいた。
「うーん、レンタルしてたエロDVDはないし、誰かに返す金もない。あ、むしろ同期の佐々木に3万貸してた!あいつ、一ヶ月分の給料を全部パチンコにつぎ込みやがってさぁ」
「そういうことじゃなくて……」
私は一瞬言い淀んだ。聞きたいような聞きたくないような……。いいや、言ってしまおう。
「彼女とか……そういう人はいなかったの?」
「は?彼女?いたら、真っ先にそっちに行くっつうの!」
迅が大声で返すから、私は困惑して言葉に詰まる。
「え、……だって、聖や伯父さんたちには会いたくないって言ってたし」
「そりゃ、好きな女だって、もう一度悲しませたくなんかないよ。でも、会いたいだろ。何を置いても、泣かせても、我儘を通すことになってももう一度会いたいだろ」
迅の熱のこもった言葉に胸が苦しくなった。
会いたい……。うん、そうだった。
どんなことをしても、私ももう一度迅に会いたかった。
「そっか、じゃそういう彼女はいなかったんだね」
「そうそう、だから、未練の理由がわかんない」
迅はごろりとベッドにひっくり返った。先ほどまでの情熱的な言葉なんかなかったみたい。
「何か思い残すことがあったんじゃないの?それを叶えたら成仏できるのかもよ」
迅は身体を起こし、腕組みをする。考え込む顔を私はのぞいた。
「うーん、レンタルしてたエロDVDはないし、誰かに返す金もない。あ、むしろ同期の佐々木に3万貸してた!あいつ、一ヶ月分の給料を全部パチンコにつぎ込みやがってさぁ」
「そういうことじゃなくて……」
私は一瞬言い淀んだ。聞きたいような聞きたくないような……。いいや、言ってしまおう。
「彼女とか……そういう人はいなかったの?」
「は?彼女?いたら、真っ先にそっちに行くっつうの!」
迅が大声で返すから、私は困惑して言葉に詰まる。
「え、……だって、聖や伯父さんたちには会いたくないって言ってたし」
「そりゃ、好きな女だって、もう一度悲しませたくなんかないよ。でも、会いたいだろ。何を置いても、泣かせても、我儘を通すことになってももう一度会いたいだろ」
迅の熱のこもった言葉に胸が苦しくなった。
会いたい……。うん、そうだった。
どんなことをしても、私ももう一度迅に会いたかった。
「そっか、じゃそういう彼女はいなかったんだね」
「そうそう、だから、未練の理由がわかんない」
迅はごろりとベッドにひっくり返った。先ほどまでの情熱的な言葉なんかなかったみたい。