学校が終わるとコンビニで漫画雑誌の最新号を三冊買って、家に戻った。
どの雑誌が好きなのかわからなかったし、三冊あればそこそこ暇がつぶせるのではと思ったのだ。週刊誌だから、前号までの流れがわからなければ楽しめないのではと思いいたったのは、帰り道だった。まあ、それはいいや。

急ぎ足で帰る。今度こそ迅は消えてしまっているかもしれないと思うと気が急いた。この不可解な現象は理由も期限もわからないのだ。

「お帰り、マナカ」

迅は何事もなかったようにそこにいた。私のベッドに勝手に寝ころび、小説を読んでいる。
安堵と走ってきた疲れで大きく息をついた私は、コンビニの袋に入った漫画雑誌を無言で差し出した。

「買ってきてくれたのかよ。ありがとな!幽霊だから、金返してやれないけど」

迅は週刊誌だとか、どの雑誌が良かったなんてこだわりはないようだった。嬉しそうに中身を取り出している。おおざっぱで迅らしい。

「いいよ、このくらい」

短く答えて、顔をそむける。安心で、ちょっと涙が出そうになっていたからだ。

「そう言えば、宅急便がきたっぽいよ。不在通知入ってなかったか?」
「え?確認してくる」