毎晩、迅のことを想い泣きながら眠りにつき、翌朝迅のいない世界に戻ってきてしまったことに絶望する。
悪い夢なら覚めてほしいと願いながら、逃げ場はどこにもないこともわかっている。ここは間違うはずもない現実。
せめて気持ちを伝えてしまえばよかった。振られた相手なら、思いきることもできたかもしれない。
いや、無理だ。きっと、恋というかたちが死んでも私の迅への想いは止まらなかっただろう。迅を失う痛みも苦しみも後悔も何ひとつ変わらない。
……いっそ、死んでしまおうか。
そんなことも考えた。しかし、ここにきて私の思考にはお母さんが現れる。
私のことを愛しているわけじゃないけれど、お母さんはお金をかけ、必死に私を育ててくれている。それは間違いないし、私だって理解している。そんなお母さんを置いて死んでいいのだろうか。
お母さんは子どもを育てるという事象から解放されるかもしれない。とはいえ、親ひとり子ひとりの小さな家族だ。心が通じ合っていなくてもお母さんをひとりぼっちにしたくないという娘の心も残っている。
息子を失ったばかりの伯父さん伯母さん、兄を失った聖のことも気がかりだった。私の死で余計な苦しみを感じるんじゃないだろうか。何度も家族の死という痛みを味わわせたくない。
そんな理由もあって、私は今日までダラダラと生き続けている。死にたい。迅のそばにいきたい。毎日、針の上を歩くみたいに痛いんだもの。もう、歩きたくない。
だけど、思いきる勇気も振りきる強さもない私は、ゾンビみたいに毎日を過ごしている。生きる屍だ。生者を横目で見ながら、世界の上っ面を歩けもしない腐った脚で撫でているに過ぎない。
来週から夏休みが始まる。きっと、私は予備校に通い、それ以外の時間は部屋で眠って過ごすんだろう。眠っているときだけはこの世界から逃げられるから。
悪い夢なら覚めてほしいと願いながら、逃げ場はどこにもないこともわかっている。ここは間違うはずもない現実。
せめて気持ちを伝えてしまえばよかった。振られた相手なら、思いきることもできたかもしれない。
いや、無理だ。きっと、恋というかたちが死んでも私の迅への想いは止まらなかっただろう。迅を失う痛みも苦しみも後悔も何ひとつ変わらない。
……いっそ、死んでしまおうか。
そんなことも考えた。しかし、ここにきて私の思考にはお母さんが現れる。
私のことを愛しているわけじゃないけれど、お母さんはお金をかけ、必死に私を育ててくれている。それは間違いないし、私だって理解している。そんなお母さんを置いて死んでいいのだろうか。
お母さんは子どもを育てるという事象から解放されるかもしれない。とはいえ、親ひとり子ひとりの小さな家族だ。心が通じ合っていなくてもお母さんをひとりぼっちにしたくないという娘の心も残っている。
息子を失ったばかりの伯父さん伯母さん、兄を失った聖のことも気がかりだった。私の死で余計な苦しみを感じるんじゃないだろうか。何度も家族の死という痛みを味わわせたくない。
そんな理由もあって、私は今日までダラダラと生き続けている。死にたい。迅のそばにいきたい。毎日、針の上を歩くみたいに痛いんだもの。もう、歩きたくない。
だけど、思いきる勇気も振りきる強さもない私は、ゾンビみたいに毎日を過ごしている。生きる屍だ。生者を横目で見ながら、世界の上っ面を歩けもしない腐った脚で撫でているに過ぎない。
来週から夏休みが始まる。きっと、私は予備校に通い、それ以外の時間は部屋で眠って過ごすんだろう。眠っているときだけはこの世界から逃げられるから。