「は?」


思ってもいないような提案に目を丸くした私に、雄也は肩をすくめた。


「どうせ仕事を探さなくちゃならんだろう? 決まるまでの間でもかまわないから、ここで働くといい」


「ちょ……」


「朝は早いがそのぶん終わりも早い。仕事のあとでも就職活動はできるだろう」


勝手に進んでゆく話に、

「待って、待ってよ」

あわててその流れをせき止めようと右手を上げた。


「なんだ、不満か?」


まるでもう決定事項のようにいぶかしげな顔まで作る彼は、やっぱり変わっていると思った。


「あ、あの……。だって、そんな急な話は」


「ゆるやかな話なんてものはない。提案はいつだって突発的だ」


哲学者めいたことを口にする雄也に首を何度も横に振った。


「でも急には決められないよ」