この朝ごはんに出逢えたことで、硬くなった感情がほどかれてゆき、ホッとしている。

副菜の温野菜は見た目ではなにかわからなかったけれど、食べてみるとそれが人参や大豆であることがわかった。

普段食べている人参よりも色が薄いけれど甘味は強い。

大豆は、黄色に近い濃い色をしている。

それらがシンプルな塩味で茹でてあるので、いっそう野菜本来の味を感じさせる。


「それは大和野菜」


男性がこちらを見ようともせずに言うのでとまどった。


「大和野菜?」


初めて耳にした言葉に首をかしげると、

「昔からこの地方は大和と呼ばれているんだ。古来からこの地で育てられている野菜のことを大和野菜と呼ぶんだ。スーパーに並んでいるから見てみるといい。見た目も全然今の野菜とは違うから」

とても丁寧に説明してくれた。

食材にはこだわっているようだ。

だから、色が普通のとは違うのか。