空気が丸い、そう思った。

暖かい店内に漂う香りが疲れをどんどん癒してくれているみたい。


「ほら、できたぞ」


コトリ、と音がして黒い木でできたお盆が置かれた。

真ん中に大きな陶器でできたお皿があってそこに盛りつけられていたのは、

「オムレツ?」

ふんわり包まれた卵の黄色に赤いケチャップが添えられている。


「違う」


即座に否定されたけれど、どう見てもオムレツにしか見えない。

洋食屋さんじゃない、って表情だけで否定してたくせに。


「じゃあ、オムライスだ」


「もっと違う」


「へ?」